うさぎと鯉と私と好きなもの

趣味の色々の記録場所。

キューティ・ブロンド 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

二年前の初演が発表されたとき、キャストにこれは来た!と思ったのはもう懐かしい限りの話。
舞台を見に行く切っ掛けになっている推しがいるってのは勿論のこと、神田さんのミュージカル私めっちゃ好きなんです。
推し?イケメン枠なのかよくわからないけど、スタイルの良さは目立つので今回の作品ではもっさくなくては意味が無い、エメットができない彼です。
前回よりもコメディに振り切れてませんでしたか、あなた。

エルがプロポーズされるためのドレスを探すシーンで店員を論破するとこがまず好きなんですよね。
「私はおバカなブロンドじゃないの」とまず言い切る。
愛を貫くその姿だけ見たら確かにおバカなブロンドかもしれないけど、しっかりとした知識で打ち破るとこから「彼女頭いいなぁ」って思います。
最高から最悪へ、転落してからも開き直ってじゃあ私もそうなればいいんだって、思っても行動に移せる人はそういないし。
論文はどうよ?って思うけど動き出して点数をとった時点でまず立派。
興味も何もない分野にただ愛のために、として掴み取って飛び込んだだけで呆れるほどに凄い。
エメットが驚くのも無理はない。だからこそ、まだエルは何もしてない。
デイベートでワーナーに勝利したり、ポーレットの犬を法律に基づいて取り戻したり、少しずつ法律に対しての興味も変わってくる。
面白い、と思いだしたところでワーナーがヴィヴィアンにプロポーズする姿を見て打ちひしがれるんだけど、インターンに自分も選ばれたのを見て「こんな快感初めて」と喜ぶ。
もう彼女はこの時点で違う目的を見つけ始めてる。愛だけじゃなくて、学んでいることの面白さを知っている。
エルだからこそブルックにより添えて聞き出せたし、エメットに「見た目も大事」と説得できる。
エメットのちょっと垢抜けるのは今回のほうがありかなって思ったけど、初演の佐藤さんの声が好み過ぎて…。
垢抜けないんだけど、あっちはまだもっさいんだけど。
「あるべき姿になるの、あなたならなれるの」って前向きな姿で変化を喜ぶエルが、「私の場所へ帰ろう」って悲しみをうたうシーンが最高に切ない。
元の私に戻るだけ、なんて元の私ってそれはなんだろう。
変われると思ってたし変わったと思ってたのに、認めて欲しい人たち、教授にも元彼にも認めてはもらえてなかった。
絶望のままのエルを引きとめるヴィヴィアンがかっこいい。
すっぱりと非を認めて「戦うの 私を信じて」と味方になってくれる。
ここで来るのが男じゃないのが良い。そしてピンクで帰ってくるエルがまたいい。
私らしく、そうじゃないとエルじゃない。
裁判の後でワーナーのプロポーズを断るときに「あなたのおかげで変われた、ありがとう」って返せるまっすぐさ。
エルは前向きな愛しか振り撒かない人なんだよなぁ…そのパワー強い。

頑張ることはきっと無駄じゃない。
何かきっとできる。
そう思わせてくれたピンクの力。
這い上がってきた神田さんだからこそのエル。
私には、何ができる?そう振り返る。